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PK戦の心理学 — リバコビッチの壁 — 2022⑦

1対1で迎えたPK戦。日本は南野拓実、三笘薫が立て続けに止められ、吉田麻也も阻まれて1対3で敗退した。立ちはだかったのはクロアチアの守護神リバコビッチ。なぜ日本は敗れたのか——PKという特殊な勝負の心理と準備、そして「運命の分岐」を、データと背景から掘り下げる。

2026年6月25日

120分を戦い抜いて1対1。日本とクロアチアの運命は、PK戦に委ねられた。サッカーで最も残酷だと言われるこの決着方法で、日本は再びベスト8の扉の前に膝をついた。なぜ、日本は敗れたのか。この一戦は、PKという特殊な勝負の難しさを、あらためて突きつけた。

  1. 1人目

    南野拓実のキックがリバコビッチに止められる。

  2. 2人目

    三笘薫のキックも止められ、日本は連続で失敗。

  3. 3人目・4人目

    浅野拓磨は成功するも、吉田麻也が止められ、1対3で敗退。

リバコビッチという守護神

PK戦で日本の前に立ちはだかったのは、クロアチアのGKドミニク・リバコビッチだった。彼はこの大会で、PK戦の「守護神」として一躍名を上げる存在になる。日本戦に続く準々決勝のブラジル戦でも好セーブを連発し、世界の注目を浴びた。

日本の1人目、南野拓実のキックは、コースを読んだリバコビッチに止められた。続く2人目、三笘薫のキックも阻まれる。立て続けの失敗で、日本は最初から崖っぷちに追い込まれた。3人目の浅野拓磨は冷静に決めたが、4人目の吉田麻也もリバコビッチに止められ、勝負あり。クロアチアは確実に決め続け、1対3で日本の敗退が決まった。

PKは運か、技術か

PK戦は「時の運」と言われることがある。だが、世界のサッカーでは、PKを運に任せない努力が積み重ねられてきた。相手キッカーの蹴る癖を分析し、GKがどちらに飛ぶかを事前に準備する。キッカーの順番を、メンタルの強さや成功率で組み立てる。蹴る前のルーティンを徹底し、緊張をコントロールする——。PKは、突き詰めれば準備とメンタルのスポーツでもある。

クロアチアは、PK戦を幾度も勝ち抜いてきた経験を持つチームだった。一方の日本は、本番でのPK戦の経験が乏しかった。試合後には、日本側のキッカーの選び方や準備をめぐって、さまざまな議論が起きた。立候補で蹴る選手を決めた面があったとも報じられ、「もっと準備できたのではないか」という声も上がった。検証は難しいが、PKの一本一本に、技術と心理と準備が凝縮されていたことは間違いない。

運命の分岐、そして次へ

もし1人目が決まっていたら。もしキッカーの順番が違っていたら。もしリバコビッチがあと一歩届かなかったら——。PK戦には、無数の「もし」がつきまとう。だが、サッカーに「もし」はない。決まった者が勝ち、外した者が去る。それがこの競技の、残酷で美しいルールである。

2010年の南アフリカ大会でも、日本はパラグアイとのPK戦に敗れていた。二度目のPKでの敗退は、日本に重い宿題を残した。世界の強豪を倒す力はある。だが、その先へ進むためには、最後の最後で勝ち切る術が要る。悔しさは深い。けれど、この大会で日本が示したものは、敗退の二文字だけでは語り尽くせない。とりわけ、PK戦で止められた一人の男は、この悔しさを胸に、世界の舞台へと駆け上がっていく。物語は三笘薫という到達点へと続く。

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