コスタリカ戦の蹉跌 — 勝てた試合を落とす — 2022④
ドイツ撃破の勢いそのままに突破を引き寄せるはずだった第2戦。だが日本は守備的なコスタリカを攻めあぐね、終盤の1失点で0対1。勝てるはずの試合を落とし、突破は最終戦に持ち越された。この「蹉跌」が何を残したのか——固さ、メンバー選び、ワールドカップの難しさを掘り下げる。
2026年6月22日
ドイツを倒した日本に、世界の目が集まった。次のコスタリカ戦に勝てば、グループ突破がぐっと近づく。誰もがそう考えていた。だが、ワールドカップにそんな「順当」はめったにない。2022年11月27日、日本はこの大会で最も悔やまれる90分を過ごすことになる。
- 前節
ドイツに2対1で逆転勝利。突破に向け絶好のスタート。
- コスタリカ戦
守備的な相手を攻めあぐね、終盤の1失点で0対1の敗戦。
- 結果
勝てば突破が近づく一戦を落とし、運命は最終スペイン戦へ持ち越し。
「順当な勝利」という落とし穴
コスタリカは、初戦でスペインに0対7という歴史的大敗を喫していた。だからこそ、多くの人が「日本が普通に勝つだろう」と予想した。だが、その油断にも似た空気こそが、罠だった。
大敗を喫したコスタリカは、第2戦で戦い方を完全に変えてきた。引いて守り、日本に攻めさせ、わずかなチャンスにすべてを懸ける。守備を固めた相手を崩すのは、サッカーで最も難しい作業のひとつだ。日本はボールを持ちながらも、相手の堅いブロックの前で手詰まりになっていった。決定機の質は上がらず、時間だけが過ぎていく。
終盤の一失点
スコアレスのまま試合は終盤へ。引き分けでも悪くはない状況だったが、勝ち点3が欲しい日本は前がかりになる。そのわずかな綻びを、コスタリカは見逃さなかった。
後半36分すぎ、日本陣内でのボールの処理が乱れたところを突かれ、ケイセル・フレールに強烈なシュートを決められて0対1。試合はそのまま終わった。日本はシュート数では上回りながら、ただ一度の隙を突かれて沈んだ。勝てた、いや少なくとも負けてはいけない試合を、日本は落としてしまった。
蹉跌が残したもの
この敗戦で、日本の状況は一気に厳しくなった。グループ突破のためには、最終戦で世界王者スペインを相手に、最低でも引き分け、状況によっては勝利が必要になった。崖っぷちである。
それでも、この苦い一戦には意味があった。引いた相手を崩しきれない弱さ、勝ち切る試合での詰めの甘さ——日本に残された課題が、はっきりと可視化されたのだ。同時に、もう失うものはないという覚悟が、選手たちの腹を決めさせた。守りに入る余地は消え、次は全力で勝ちにいくしかない。皮肉にも、この蹉跌が、スペイン戦での日本を吹っ切れさせた面もあった。
崖っぷちの日本に残された道は、ただひとつ。無敵艦隊スペインを倒すこと。世界が「もう日本は終わった」と見るなか、森保ジャパンは最後の賭けに出る。物語はスペイン戦へと続く。
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