クロアチア戦 — 先制から延長の死闘へ — 2022⑥
決勝トーナメント1回戦、相手は前回準優勝のクロアチア。前半に前田大然が押し込み先制したが、後半にペリシッチの見事なヘディングで追いつかれる。一進一退の攻防は延長戦へ。経験豊富な相手を前に、日本は120分を戦い抜いた。ベスト8をかけた死闘を、両者の駆け引きから掘り下げる。
2026年6月24日
2022年12月5日。死の組を1位で突破した日本が、決勝トーナメント1回戦で対峙したのは、前回ロシア大会の準優勝国クロアチアだった。モドリッチを中心とした老練なチームは、勝ち方を知る相手である。史上初のベスト8をかけた90分、いや120分の死闘が始まった。
- 前半43分
前田大然がゴール前のこぼれ球を押し込み、日本が先制。
- 後半55分
ペリシッチの見事なヘディングで同点。1対1。
- 延長戦
120分を戦っても決着つかず。試合はPK戦へ。
前田大然の先制点
立ち上がり、両者は慎重に探り合った。クロアチアはモドリッチを軸に丁寧にボールをつなぎ、日本は持ち前の運動量と切り替えの速さで対抗する。一進一退の展開が続いたなか、前半43分に試合が動く。
左サイドからの攻撃で、ゴール前にこぼれたボールに反応したのは前田大然だった。すかさず押し込み、日本が先制。ハーフタイム直前の、値千金の一点だった。1対0。ベスト8という未踏の景色が、再び日本の眼前に浮かび上がった。日本サポーターの期待は最高潮に達した。
ペリシッチの同点弾
だが、クロアチアは前回準優勝の実力国である。リードされても慌てず、徐々にギアを上げてきた。そして後半55分、日本に痛恨の同点弾が突き刺さる。
右サイドからの正確なクロスに、ベテランのイバン・ペリシッチが高い打点で合わせた、見事なヘディングシュート。GK権田修一も一歩も動けない、完璧な一撃だった。1対1。経験豊富な相手は、ワンチャンスを的確に仕留めてみせた。試合は再び振り出しに戻り、ここから両者の我慢比べが続いていく。
延長戦、消耗の120分
1対1のまま、試合は最後まで決着がつかず、延長戦へ突入した。延長の30分間、両者は疲労の限界のなかで一進一退を繰り返す。日本にも、クロアチアにも、決定的なチャンスはあった。だが最後の精度が、ほんのわずか及ばない。
日本は120分を通じて、前回準優勝の強豪と互角以上に渡り合った。守備は崩れず、攻撃でも何度も相手ゴールに迫った。「格上に押し込まれてしのぐ」のではなく、「対等に殴り合う」試合ができていた。それ自体が、日本サッカーの成長を物語っていた。だが、結果が出なければ前には進めない。両者疲れ切ったまま、スコアは1対1。試合は、サッカーで最も心臓に悪い決着方法——PK戦へともつれ込んだ。
ベスト8の扉は、もう目の前にある。だが、その扉を開ける鍵は、12メートル先のゴールに正確にボールを蹴り込めるかという、過酷な運命に委ねられた。物語はPK戦へと続く。
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