世代交代 — 欧州組が中核になった — 道のり③
2022年から2026年へ。日本代表の顔ぶれは大きく入れ替わった。リバプールの遠藤航、アーセナルやアヤックスを渡り歩く冨安健洋、レアル・ソシエダの久保建英——欧州の主要クラブで主力を張る選手が、代表の中核になった。「海外組」がもはや当たり前になった時代の、世代交代を掘り下げる。
2026年6月21日
ワールドカップの四年間は、選手の入れ替わりの四年間でもある。2022年から2026年にかけて、日本代表の顔ぶれは大きく変わった。だが、その変化には明確な特徴があった。新しい中核を担ったのが、ほとんどすべて「欧州のクラブで主力を張る選手」だったことである。
- かつて
代表の中心はJリーグ組。欧州でプレーする選手は一部の例外だった。
- 2022-2026
主力の大半が欧州の主要リーグに在籍。海外組が当たり前の時代に。
- 象徴
遠藤航(リバプール)、冨安健洋、久保建英(レアル・ソシエダ)ら。
「海外組」が当たり前になった
かつて、日本代表で欧州のクラブに所属する選手は、ごく一部のスター選手に限られていた。中田英寿や中村俊輔のような存在は、むしろ例外だった。だが2020年代に入ると、状況は一変する。代表に名を連ねる選手の多くが、ヨーロッパの主要リーグでプレーするようになったのである。
リバプールでプレミアリーグを戦う遠藤航。守備のスペシャリストとして欧州の名門を渡り歩いた冨安健洋。スペインのレアル・ソシエダで主軸を担う久保建英。ドイツやオランダ、スコットランドなど、各国のリーグに日本人選手が散らばり、そのほとんどが主力として出場時間を得ていた。「海外組」という言葉が、もはや特別な響きを持たなくなった——それ自体が、日本サッカーの大きな前進だった。
新しい中核たち
第2次森保ジャパンの背骨を作ったのは、こうした欧州組だった。中盤では遠藤航がボール奪取と統率の中心となり、長くキャプテンも務めた。守備では冨安健洋や板倉滉が最終ラインを支え、攻撃では久保建英、堂安律、三笘薫、上田綺世といった面々が、各国のリーグで磨いた個の力を持ち込んだ。
彼らに共通するのは、所属クラブで「控え」ではなく「主力」だったことである。試合に出続け、世界トップの相手と勝負を重ねる。その経験値が、そのまま代表の強度になった。かつての日本は、Jリーグで活躍した選手が代表で世界の壁にぶつかる構図だったが、いまは欧州で揉まれた選手が、その経験を代表に還元する構図へと変わっていた。
競争という財産
層が厚くなったことは、ポジション争いの激化も意味した。一つのポジションに、欧州で実績を残す選手が複数いる。誰が出ても一定の質が保たれ、けがや不調があっても穴が空きにくい。この「分厚い競争」こそ、第2次森保ジャパンの最大の財産だった。
もっとも、選手層が厚いことは、選考の難しさという宿題も生む。限られた登録枠に、誰を選び、誰を外すか。指揮官は、うれしい悩みと向き合い続けることになる。世代交代を経て、日本代表はかつてないほど豊かなタレントを抱えるチームになった。その充実した戦力をもって、日本は2024年初頭、アジアの頂点をかけた大舞台に臨む。だが、そこで待っていたのは、栄冠ではなく思わぬ蹉跌だった。物語はアジアカップ2024へと続く。
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