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連載 ・ 全10話

米中ビッグ・ゲーム ― 二つの大国の100年

19世紀末、太平洋をはさんだ二つの大国が初めて本格的に出会う。中国市場へ門戸を開けと迫りながら、同じ国が中国人移民を締め出した。希望と差別が同居したアメリカの中国観の原点をたどる。

  1. 01 二つの大国の出会い ― 門戸開放と排華の時代 19世紀末、太平洋をはさんだ二つの大国が初めて本格的に出会う。中国市場へ門戸を開けと迫りながら、同じ国が中国人移民を締め出した。希望と差別が同居したアメリカの中国観の原点をたどる。
  2. 02 同盟から敵対へ ― 第二次大戦と中国革命 日本という共通の敵を前に、アメリカと中国は同盟を組んだ。だが戦争が終わると中国では革命が起き、新たに生まれた中華人民共和国はアメリカと朝鮮半島で正面から銃を交える。盟友から敵へ、わずか数年の暗転をたどる。
  3. 03 ニクソン訪中の衝撃 — 1972年の大転換 朝鮮戦争で銃火を交えた二つの国が、二十年後、北京で握手を交わす。きっかけは一個のピンポン球と、極秘に飛んだ一人の補佐官だった。共通の敵ソ連を前に、反共の闘士ニクソンが竹のカーテンをこじ開けた1972年。冷戦の地図を塗り替えた、世界が息をのんだ大転換を描く。
  4. 04 関与という賭け — 改革開放とWTO 黒い猫でも白い猫でも、ネズミを捕る猫がよい猫だ――。鄧小平のこの一言が、貧しい社会主義国を世界の工場へと変えていく。改革開放から2001年のWTO加盟まで。豊かになれば中国は自由になる、と信じたアメリカの巨大な賭け=関与政策の理想と、その後に芽生えた疑念を描く。
  5. 05 チャイメリカ ― 相互依存の蜜月と歪み 世界の工場となった中国と、消費を続けるアメリカ。両者は一つの経済体のように絡み合い「チャイメリカ」と呼ばれた。だがその蜜月の底では、製造業の空洞化と価値観の溝が静かに広がっていた。
  6. 06 すれ違う価値観 ― 天安門・人権・台湾・香港 一九八九年の天安門事件は、米中の蜜月の底に横たわる価値観の溝を白日の下にさらした。人権と体制、台湾、香港、新疆。経済では結びついた二つの国が、決して交わらない一線をめぐって静かに対立を深めていく。
  7. 07 習近平 vs アメリカ・ファースト — 貿易戦争の幕開け 豊かになれば中国は変わる――。その期待は、二人の指導者の登場で崩れ去った。中華民族の復興を掲げる習近平と、アメリカ・ファーストを叫ぶトランプ。2018年、世界最大の二つの経済が、関税という武器を抜き合う。蜜月の終わりを告げる貿易戦争の始まりを描く。
  8. 08 テクノロジー冷戦 — 半導体・5G・データ 関税の応酬は、やがて技術そのものをめぐる戦いへと姿を変えた。ファーウェイ制裁、半導体の輸出規制、5Gとデータの覇権。米中は世界経済を二つに切り分けようとし始める。デカップリングと呼ばれた、新しい冷戦の最前線を史実でたどる。
  9. 09 台湾という火薬庫 — 最大の発火点 関税から技術へと移った米中の戦いは、最後に一つの島へと収斂する。台湾。一つの中国をめぐる原則、台湾海峡の軍事バランス、そして世界の先端半導体を握る島。経済と安全保障が交差するこの場所こそ、二大国の衝突を最も恐れさせる発火点となった。その構造を解き明かす。
  10. 10 トゥキディデスの罠を越えて — 新しい冷戦の行方 覇権国と挑戦国が出会うとき、歴史はしばしば戦争を選んできた――トゥキディデスの罠。だが、それは宿命なのか。多極化する世界、台頭するグローバルサウス、相互に絡み合った経済。百年の物語の果てに、米中が衝突を避け、共存へ向かう条件はどこにあるのか。連載の最終話。