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連載 ・ 全10話

株の歴史 ― 市場が動かす世界

大航海時代、海の向こうの富は莫大な利益と、船もろとも沈む危険を抱えていた。1602年、オランダの人々はその危険を多くの手で分け合う仕組みを編み出す。世界初の株式会社とされるオランダ東インド会社と、アムステルダム証券取引所。出資とリスク分散という静かな革命をたどる第1話。

  1. 01 株式会社の発明 ― リスクを分け合う知恵 大航海時代、海の向こうの富は莫大な利益と、船もろとも沈む危険を抱えていた。1602年、オランダの人々はその危険を多くの手で分け合う仕組みを編み出す。世界初の株式会社とされるオランダ東インド会社と、アムステルダム証券取引所。出資とリスク分散という静かな革命をたどる第1話。
  2. 02 最初のバブル ― チューリップと南海泡沫 市場という新しい装置は、富への期待だけでなく、人間の熱狂をも招き入れた。1637年オランダのチューリップ狂、1720年フランスのミシシッピ計画とイギリスの南海泡沫事件。値段が値段を呼ぶ群集心理と、あっけない崩壊。バブルという言葉が生まれた最初の時代をたどる第2話。
  3. 03 ウォール街の誕生 1792年、ニューヨークの一本の木の下で24人の仲買人が交わした取り決めが、のちのニューヨーク証券取引所の出発点とされる。鉄道株が国を覆い、市場が国家を動かしはじめた時代。アメリカ資本主義の勃興を、その繁栄と影の両面から中立にたどる。
  4. 04 暗黒の木曜日 ― 1929年大暴落 狂騒の20年代、アメリカは空前の好景気に沸き、誰もが株で富を夢見た。だが1929年10月、熱狂は一夜にして崩れ落ち、世界恐慌へと連なっていく。大暴落の真相と、そこから生まれた証券取引委員会(SEC)の誕生を、史実に基づき中立にたどる。
  5. 05 復興と大衆の市場 焼け跡から、市場はもう一度立ち上がる。1949年に再開した東京証券取引所、投資信託の登場、高度成長の追い風。株式が一部の富裕層のものから「みんなのもの」へと広がっていく時代と、その熱狂が招いた1965年の証券不況までを、史実ベースで描く。
  6. 06 ブラックマンデーと金融自由化 1987年10月19日、ニューヨークの株価が一日で約22パーセント崩れ落ちた。プログラム取引が下落を加速させ、衝撃は電子の回線を伝って世界を一周する。金融自由化でひとつにつながった市場が、いかに脆さも分かち合うことになったのか。ブラックマンデーの一日を史実ベースで描く。
  7. 07 日本のバブル ― 狂乱と崩壊 1980年代の日本を覆った資産バブル。1989年末、日経平均は終値で3万8915円という史上最高値に達した。土地神話と株高の熱狂、そして総量規制とともに訪れた崩壊と「失われた時代」の始まりを、勝者も敗者も生んだ過熱の代償として中立に描く。
  8. 08 ITバブルとリーマン・ショック 2000年前後、インターネットへの期待が膨らんだドットコム・バブルと、その崩壊。そして2008年、証券化商品の暴走が引き起こしたリーマン・ショックと世界金融危機。新しい世紀の市場が、二つの巨大な崩落を通じて世界を揺るがした軌跡を、技術への希望と金融工学の影の両面から中立に描く。
  9. 09 アルゴリズムの時代 リーマン・ショックのあと、市場のかたちそのものが変わっていった。注文を出すのは人ではなくプログラムになり、勝負は1000分の1秒を争うようになる。同じころ、指数に連動するだけの地味な投資が静かに広がり、ネット証券が個人を市場に呼び戻した。見えなくなった市場の主役をたどる第9話。
  10. 10 株のこれから NISAという制度が個人投資の裾野を広げ、つみたてと分散という地味な考え方が静かに浸透した。暗号資産という新しい資産が現れ、AIが市場を読み始めている。400年の旅の終わりに、人間と市場の関係はどこへ向かうのかを、答えを急がずに見渡す最終話。投資の推奨ではなく、歴史と教養として。