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連載 ・ 全10話
オリンピックとお金 ― 五輪を動かす巨大マネー
前776年と伝えられる第1回大会から千年あまり、ギリシャのオリンピアでは神に捧げる競技祭が続いた。賞は名誉、しかしその裏に都市の威信や賭けも息づいていた。お金と五輪をめぐる長い物語の出発点を、古代の祭典からたどる第1話。
- 01 神々への奉納 — 古代オリンピアの祭典 前776年と伝えられる第1回大会から千年あまり、ギリシャのオリンピアでは神に捧げる競技祭が続いた。賞は名誉、しかしその裏に都市の威信や賭けも息づいていた。お金と五輪をめぐる長い物語の出発点を、古代の祭典からたどる第1話。
- 02 クーベルタンの理想 — 近代五輪の誕生 1894年、フランス人貴族クーベルタンの提唱で近代オリンピックが構想され、1896年にアテネで第1回大会が開かれた。アマチュアリズムの理想を掲げた手作りの祭典は、しかし当初から深刻な資金難と隣り合わせだった。理想とお金のせめぎ合いを描く第2話。
- 03 国家の祭典 — 政治とプロパガンダ 1936年のベルリン、五輪はナチス・ドイツの宣伝舞台になったと語られる。冷戦下では東西がメダルを競い、ボイコットを応酬し合った。理想として甦った祭典が、いかにして国家の道具になっていったのか。光と影を中立にたどる。
- 04 赤字という重荷 — 1976モントリオールの教訓 1976年のモントリオール五輪は巨額の赤字を残し、その返済に約30年を要したと伝えられる。膨らむ開催コスト、ほぼ一都市だけになった招致。五輪が存続の危機に立たされた時代を、史実ベースで中立にたどる。
- 05 ロサンゼルスの革命 ― 1984、五輪が黒字になった日 1976年モントリオールの巨額赤字で、誰も開きたがらない重荷になっていた五輪。1984年ロサンゼルス大会は、ピーター・ユベロスという旅行業出身の経営者が、税金を使わず民間の力で運営し、黒字へと転換させた。商業五輪モデルが確立した、その光と影を史実ベースで描く。
- 06 放映権という金脈 ― テレビが五輪を変えた 数百万ドルから数十億ドルへ。米テレビ局が支払う放映権料は半世紀で爆発的に膨らみ、IOCの収入の最大の柱になった。その大きさは、競技の開始時間さえ選手ではなく視聴者の都合に合わせるほどの力を持つに至る。放送が五輪を支配する構図を、史実ベースで読み解く。
- 07 TOPプログラム — 世界企業のオリンピック 1985年、IOCは世界のトップ企業だけを集めるスポンサー制度TOPを立ち上げた。五つの輪は地球上で最も知られたマークの一つとなり、コカ・コーラら巨大企業がその独占的な使用権を競う。一方で、正規スポンサーの座を金で買わずに祭典へ便乗する「アンブッシュ」との戦いも始まった。
- 08 招致の闇 — ソルトレークシティ事件 1998年末、2002年冬季五輪を射止めたソルトレークシティの招致をめぐり、IOC委員への金品提供が報じられた。委員の除名という前例なき事態に発展し、IOCは大規模な改革を迫られる。招致をめぐるカネと接待は、なぜ繰り返されてきたのか。公的に確定・報道された範囲で見ていく。
- 09 ドーピングという影 — クリーンな五輪をめぐる闘い メダルには名誉だけでなく、巨額のお金と未来がかかる。だからこそ薬物の誘惑は消えない。東ドイツの国家ドーピング、ベン・ジョンソンの衝撃、ロシアをめぐる疑惑とWADAの誕生。検査と不正のイタチごっこの歴史を、確定・報道された範囲で中立にたどる。
- 10 持続可能な五輪へ — 肥大化のその先 招致都市が次々と姿を消し、住民投票が辞退を選ぶ。膨れ上がった開催費に、世界は立ち止まって問い始めた。コロナ下の東京2020、簡素化と既存施設の活用、改革の模索。五輪は何のために、誰のためにあるのか。最終話は、答えを急がずに締めくくる。