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連載 ・ 全10話

ニッポンの歌 ― 音楽が映した日本の100年

幕末、黒船とともに上陸したのは軍隊の足音だけではなく、見慣れぬ楽器が奏でる西洋の音でした。薩摩の若者がラッパを学び、伊沢修二が学校に唱歌を持ち込んだ明治。和と洋が出会い、日本の近代音楽が産声をあげるまでの物語をたどる第1話。

  1. 01 黒船が運んだ音 ― 西洋音楽がやってきた 幕末、黒船とともに上陸したのは軍隊の足音だけではなく、見慣れぬ楽器が奏でる西洋の音でした。薩摩の若者がラッパを学び、伊沢修二が学校に唱歌を持ち込んだ明治。和と洋が出会い、日本の近代音楽が産声をあげるまでの物語をたどる第1話。
  2. 02 レコードが歌いだす ― 流行歌が生まれた日 黒い円盤に針を落とすと、見知らぬ歌手の声が部屋に響く。大正から昭和初期、SP盤とラジオが日本に広がり、歌は一部の人のものから大衆のものへと変わった。「カチューシャの唄」から「東京行進曲」へ、流行歌が生まれた時代をたどる第2話。
  3. 03 歌わされた歌 ― 国家が音楽を動員した時代 レコードに乗って大衆のものになった歌は、戦争とともに自由を奪われていく。軍歌の大流行、ジャズを「敵性音楽」とみなした統制、音楽家を束ねた団体、そして戦地への慰問。歌が国家に動員された時代を、光と影の両面から中立にたどる。
  4. 04 焼け跡のブギウギ ― 廃墟に響いた、明るすぎるリズム 戦争が奪った歌の自由は、敗戦とともに堰を切ったように戻ってきた。リンゴの唄の素朴な希望、笠置シヅ子のブギが弾けさせた解放感、そして十二歳の美空ひばりの登場。焼け跡の街に明るいリズムが鳴り響いた戦後歌謡の幕開けを、史実ベース・中立にたどる第4話。
  5. 05 若者は反乱する ― エレキとフォークが鳴らした自由 焼け跡の歌謡が大人のものだったとすれば、1960年代後半の音は若者のものだった。エレキを鳴らすグループサウンズ、ギター一本で社会を問うフォーク、そして自作自演のニューミュージックの芽。歌が反抗と自己表現の言葉になっていく季節を、史実ベースで描く。
  6. 06 アイドルとニューミュージック ― 歌謡曲、最後の黄金期 テレビの光のなかで輝いた山口百恵・ピンク・レディー・松田聖子。その傍らで、自分の言葉と曲で勝負するニューミュージックとシティ・ポップが静かに地殻変動を起こしていた。歌謡曲が最後の黄金期を迎えた70-80年代を、光と影の両面から中立にたどる第6話。
  7. 07 J-POPと名づけられた日 ― バンドブームと小室の魔法 1980年代末、原宿のホコ天とテレビ番組「イカ天」からバンドブームが沸き起こり、ビーイングや小室哲哉のサウンドが時代を塗り替えた。CDという新しい器に乗って、日本の歌は「歌謡曲」から「J-POP」へと名前を変えていく。その誕生の瞬間をたどる第7話。
  8. 08 ミリオンの黄金時代 ― 国民が同じ歌を歌った夜 1990年代、日本の音楽は史上もっとも売れた。年に十数曲のミリオンセラーが生まれ、ドラマ主題歌のタイアップがヒットを約束し、カラオケボックスで誰もが同じサビを歌った。CDバブルと呼ばれる頂点の輝きと、その先に待っていた静かな転落の予兆をたどる第8話。
  9. 09 形を失う音楽 ― 着うたが鳴った日 頂点を極めた音楽産業の足元で、CDは静かに売れなくなっていった。携帯電話から鳴る着うた、海を越えてきたiTunes、無数の動画が流れるYouTube、そして違法ダウンロードとの長い戦い。音楽は「モノ」であることをやめ、形を失いながら次の主役を探していく。
  10. 10 推しと初音ミクと、世界へ ― ニッポンの歌のいま 形を失った音楽は、誰のものになったのか。電子の歌姫・初音ミクが灯した創作の連鎖、握手券文化と定額配信のせめぎ合い、推し活という新しい関わり方、K-POPの衝撃、そして海を越えていくYOASOBIたち。100年の旅の終着点で、ニッポンの歌のいまと、これからを見つめる最終話。