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連載 ・ 全10話
車の歴史 ― 自動車が変えた世界
19世紀末、人々は馬を使わずに走る馬車を夢みた。ドイツのカール・ベンツが特許を得た三輪のガソリン自動車、ゴットリープ・ダイムラーとマイバッハの高速エンジン。互いに知らぬまま同じ年に生まれた二台の車から、自動車という発明の物語が静かに動き出す。連載第1話。
- 01 馬なき馬車の夢 — 自動車の誕生 19世紀末、人々は馬を使わずに走る馬車を夢みた。ドイツのカール・ベンツが特許を得た三輪のガソリン自動車、ゴットリープ・ダイムラーとマイバッハの高速エンジン。互いに知らぬまま同じ年に生まれた二台の車から、自動車という発明の物語が静かに動き出す。連載第1話。
- 02 T型フォードと大衆化 — 大量生産の革命 高価な玩具だった自動車を、ふつうの人々の道具へ。ヘンリー・フォードは1908年にT型フォードを世に出し、移動組立ラインと五ドル日給で生産を一変させた。価格は下がり続け、車は大衆のものになる。モータリゼーションの扉を開いた大量生産の物語、連載第2話。
- 03 GMとブランドの時代 — アメリカの黄金期 T型フォードが安さで世界を制したころ、ゼネラル・モーターズは別の問いを立てた。人は車に何を求めるのか。アルフレッド・スローンの率いたGMが磨いた毎年のモデルチェンジ、ブランドの階層、割賦販売を軸に、豊かさの象徴となったアメ車文化の光と影を中立にたどる。
- 04 国民車という思想 — ヨーロッパの自動車 豊かさを競うアメ車とは別に、ヨーロッパは「国民みなが乗れる小さな車」という思想を育てた。フォルクスワーゲン・ビートルの複雑な出自、アウトバーン、ポルシェ、そして2CVやミニといった個性豊かな小型車文化を、史実に即して光と影の両面から中立にたどる。
- 05 トヨタ生産方式 ― 日本車の思想 焼け跡の日本で、欧米とは違う原理の車づくりが芽吹いた。必要なものを、必要な時に、必要なだけ――ジャストインタイム、かんばん、カイゼン。資源も資本も乏しい国が編み出した「つくり方の思想」が、やがて世界の製造業を変えていく。トヨタ生産方式の誕生を史実ベースで描く。
- 06 オイルショックと日本車の躍進 1973年、中東の危機がガソリンスタンドの行列となって世界を襲った。燃料が高騰する時代、小さく燃費の良い日本車が一気に注目を集める。だが対米輸出の急増は、やがて貿易摩擦という痛みも生んだ。躍進と軋轢、その両面を史実ベースで描く。
- 07 安全と環境の代償 豊かさの象徴だった自動車は、やがて事故と公害という二つの影を問われ始めた。一人の弁護士の告発、空を覆う排ガス、そして「不可能」と言われた規制――。安全と環境をめぐる攻防が、技術そのものを押し上げていった時代を描く。
- 08 グローバル再編 — 巨人たちの合従連衡 二十世紀末、自動車産業は国境を越えた合併と提携の渦に巻き込まれた。「世紀の合併」と呼ばれた独米連合、倒産寸前から蘇った日仏連合――。規模を求めて巨人たちが合従連衡を繰り広げた時代を、成功と挫折の両面から中立に描く。
- 09 EVの衝撃 — テスラと電動化 電気自動車は、じつは百年以上前に一度栄え、そして敗れていた。リチウムイオン電池の登場、テスラの挑戦、脱炭素を掲げる各国の規制、そして中国EVの台頭。内燃機関の終わりは本当に来るのか――賛否の分かれる現在地を、報じられた範囲で中立にたどる。
- 10 自動運転とその先 — 車の未来 人が運転しない車、つながり続ける車、そして持つのではなく使う車。自動運転、コネクテッド、MaaSという三つの潮流は、自動車が社会のなかで占めてきた意味そのものを揺さぶっている。安全と倫理の難問を抱えながら、車と私たちの関係はどこへ向かうのか。百二十年の物語を、答えを急がずに閉じる最終章。