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連載 ・ 全10話

宗教と政治 ― 信仰が国家を動かすとき

なぜ人は、信仰と国家のあいだに線を引こうとしたのか。古代の祭政一致から、教権と王権の争い、宗教改革の血みどろの戦争を経て、政教分離と信教の自由がうまれるまで。ヨーロッパ二千年の苦闘をたどる連載第1話。

  1. 01 神とカエサルのあいだ ― 政教分離という難問 なぜ人は、信仰と国家のあいだに線を引こうとしたのか。古代の祭政一致から、教権と王権の争い、宗教改革の血みどろの戦争を経て、政教分離と信教の自由がうまれるまで。ヨーロッパ二千年の苦闘をたどる連載第1話。
  2. 02 アメリカと福音派 ― 神の国の政治 国教を持たないと定めた国で、なぜ信仰が政治をこれほど動かすのか。信教の自由を求めて渡った人々の国アメリカ。その大地に育った福音派とキリスト教右派が、中絶や教育を争点に大統領選を左右するまでを、賛否を併記しながらたどる連載第2話。
  3. 03 イスラームと国家 ― 政教一致の論理 イスラームでは信仰と政治が分かちがたく結びついてきたと語られる。だが現実は一様ではない。1979年のイラン革命、イスラム主義の多様な潮流、世俗主義との緊張をたどり、ひとつの信仰がどれほど多彩な政治の形を生んできたかを冷静に見つめる第3話。
  4. 04 インドの信仰と国民 ― ヒンドゥー・ナショナリズム 宗教対立の悲劇のなかから、インドは世俗国家として独立した。だが多数派の信仰を国民意識と重ねる潮流が、その理念を静かに揺らしていく。世俗主義の建国理念とヒンドゥー・ナショナリズムの台頭を、賛否両論を併記しながら冷静にたどる第4話。
  5. 05 ヨーロッパのキリスト教民主主義 ― 穏やかに根を張る信仰 戦争の廃墟から立ち上がった戦後西欧で、信仰を掲げる政党が国家の再建を担った。アデナウアーやデ・ガスペリのキリスト教民主主義は、宗教的価値と近代政治をどう結び、なぜ世俗化のなかで力を失ったのか。穏健な政教関係というモデルを史実ベースで描く。
  6. 06 国家神道の時代 ― 近代日本と宗教 明治維新ののち、日本は神道を国家の柱に据えようとした。神仏分離から国家神道の形成、信教の自由との緊張、戦時下の宗教統制、そして敗戦と神道指令による政教分離まで。近代日本が宗教と政治のあいだで揺れた約八十年の道のりを、史実ベースで冷静に描く。
  7. 07 戦後日本の宗教と政党 ― 信仰が議席を持つとき 敗戦後、日本国憲法は信教の自由と政教分離を高らかに掲げた。その自由のもとで、ある宗教団体を支持母体とする政党が議席を得て、やがて政権の一翼を担うまでになる。公明党と創価学会の歩みを軸に、戦後日本で信仰と政治が交わった半世紀を、賛否の両論を併記しながら冷静にたどる。
  8. 08 宗教右派と原理主義 ― 世界的な台頭 1979年前後、世界の各地で信仰がいっせいに政治の前面へ押し出された。アメリカの福音派、イランのイスラム革命、インドのヒンドゥー・ナショナリズム。バラバラに見えるこれらの動きには、世俗化への反動とアイデンティティの政治という共通の構造があった。宗教保守と原理主義の世界的台頭を、地域を横断して読み解く。
  9. 09 信仰の影 ― カルト問題と社会 信仰は人を支える一方で、ときに人を縛る道具にもなる。一九九五年のオウム真理教事件という日本社会の衝撃、マインドコントロールをめぐる論争、宗教二世の苦悩、そして近年あらためて問われた宗教と政治・社会の距離を、確定した事実を中心に、報じられた範囲で慎重にたどる。
  10. 10 世俗化のゆくえ ― 信仰と政治の未来 宗教は退場するという予想に反し、世界では世俗化と再宗教化が同時に進んでいる。信仰を持たない人が増える一方で、宗教人口そのものも増え続ける。政教分離と信教の自由という理念を手がかりに、多様な社会で宗教と政治がどう共存しうるのかを、結論を急がず静かに見渡す最終章。