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連載 ・ 全10話

日本野球の光と闇 ― プロ野球の知られざる裏側

明治のはじめ、アメリカ人教師が一人の生徒たちに伝えた異国の球技が、半世紀をかけてこの国の国民的スポーツへと姿を変えていく。学生たちの熱狂、武士道と結びついた野球道、そして1936年の職業野球の誕生。日本人がなぜこれほど野球に夢中になったのか、その始まりの物語をたどる。

  1. 01 野球はどう日本に根づいたか — 伝来と熱狂の始まり 明治のはじめ、アメリカ人教師が一人の生徒たちに伝えた異国の球技が、半世紀をかけてこの国の国民的スポーツへと姿を変えていく。学生たちの熱狂、武士道と結びついた野球道、そして1936年の職業野球の誕生。日本人がなぜこれほど野球に夢中になったのか、その始まりの物語をたどる。
  2. 02 戦争と野球 — 中断と復活 アメリカ生まれの野球は、戦争という時代の波に飲み込まれていく。敵性スポーツとされ、用語は国語化され、やがてリーグそのものが中断する。だが焼け跡の上で、野球はふたたび人々の熱狂を取り戻した。中断から復活、そして1950年の二リーグ分立まで、激動の十数年をたどる。
  3. 03 黒い霧事件 — 八百長と球界の信用危機 1969年から71年にかけて、日本のプロ野球は最大級の信用危機に直面した。八百長の発覚、相次ぐ追放処分。なぜそれは起きたのか。個人を断罪するのではなく、待遇や賭博との接点という「構造」から、球界が信用をどう失い、どう立て直そうとしたのかを冷静にたどる。
  4. 04 ドラフトと金 — 選手獲得をめぐる確執 戦力の均衡を願って1965年に始まったドラフト制度。だが「選手の値段」をめぐる確執は、その後も形を変えて続いた。逆指名や自由獲得枠の議論、表面化した金銭の問題、そして制度の改革へ。理想と現実のあいだで揺れ続けた、選手獲得をめぐる半世紀の歩みをたどる。
  5. 05 一強の構造 — 巨人と地上波の時代 戦後、巨人はテレビとともに国民的人気を築いた。だがその全国中継は、人気と収益を一球団に集める構造でもあった。光としての熱狂と、影としてのセ・パ格差。日本野球を長く支え、やがて揺らいでいく「一強」の仕組みを冷静に見つめる。
  6. 06 球界再編2004 — ファンが動かした年 2004年、一つの球団が消えようとした。近鉄とオリックスの合併、史上初の選手会ストライキ、そして楽天の新規参入。怒り、署名、スタンドからの声――ファンが球界を動かした転換点を、各立場の事情も踏まえて冷静にたどる。
  7. 07 野球賭博という影 — カネと反社会的勢力 2015年、巨人の選手による野球賭博が表面化した。発覚から契約解除、無期失格処分まで。なぜ賭博は球界にとって最大の禁忌なのか。黒い霧事件以来の信用危機と再発防止の取り組みを、確定した処分の範囲で冷静にたどる。
  8. 08 暴力と指導の闇 — 体罰・しごきを越えて 勝つための指導は、いつ暴力に変わるのか。体罰やしごき、上下関係の歪みが公に問題化した事例と、2013年のスポーツ界における暴力行為根絶宣言、球数制限など近年の指導改革を、史実に基づいて中立にたどる。
  9. 09 メジャーへの道 — 野茂からの系譜 一九九五年、ひとりの投手が太平洋を越えた。野茂英雄の挑戦は、イチローや松井秀喜へと続く道を開く。ポスティング制度とカネ、人材流出という光と影――海を渡る選手たちが日本野球に残したものを、史実に沿って冷静にたどる。
  10. 10 日本野球の未来 — 光と闇を超えて 八百長、賭博、暴力、再編、そして海を渡る才能――光と闇の両方を見てきた連載の最終章。WBCの熱狂と国際化、ガバナンス改革、育成と地域密着。日本野球がこれから向かう先を、断罪でも美化でもなく、静かに見つめなおす。