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連載 ・ 全10話
金の歴史 ― 人類を魅了しつづける黄金
錆びず、朽ちず、ただ輝きつづける金属。古代エジプトの人々は、それを神々の肌と呼び、王の永遠を託した。ツタンカーメンの黄金マスクはなぜ人を惹きつけるのか。金の不変性と、人類最初の渇望の物語をたどる第1話。
- 01 黄金への渇望 — 神々と王の金属 錆びず、朽ちず、ただ輝きつづける金属。古代エジプトの人々は、それを神々の肌と呼び、王の永遠を託した。ツタンカーメンの黄金マスクはなぜ人を惹きつけるのか。金の不変性と、人類最初の渇望の物語をたどる第1話。
- 02 金と帝国 — 古代世界を動かした黄金 神の金属だった金が、人の手から手へ渡る通貨へと姿を変える。リディアの鋳造貨幣、ローマのアウレウス金貨、そして帝国が金鉱を求めて山ごと崩した時代。金が交易と権力を動かしはじめた古代世界の物語をたどる第2話。
- 03 エルドラドの幻想 — 大航海時代と新大陸の金 海の彼方に黄金郷を夢みたヨーロッパは、新大陸でアステカとインカの黄金に出会う。コルテスとピサロの征服、皇帝の身代金、そして略奪の影で失われた無数の命。エルドラド伝説に駆られた時代の光と影を、数字は諸説と断りながら中立にたどる。
- 04 銀の津波 — 世界経済と金銀 アンデスの高地で見つかったポトシ銀山から、白い金属が世界へあふれ出した。スペインに流れ込んだ銀は価格革命を引き起こし、太平洋を越えて明・中国へ吸い込まれていく。金とならぶもう一つの貴金属が結んだ、最初のグローバル経済の物語を中立にたどる。
- 05 ゴールドラッシュ ― 一攫千金の熱狂 1848年、カリフォルニアの製材所で見つかった一片の砂金が、数十万の人々を西へ西へと駆り立てた。フォーティナイナーズ、オーストラリア、クロンダイク。街が一夜で生まれ、消えた熱狂の時代を、開拓と移民、そしてその影に倒れた人々まで含めて史実ベースで描く。
- 06 金本位制 — 黄金が世界を支配した時代 ゴールドラッシュが掘り出した大量の金を背に、19世紀の世界は金本位制という一つの仕組みのもとに束ねられていく。ロンドンの金市場を中心に、金は国際通貨の錨となり、安定と繁栄を支えた。だがその黄金の鎖には、見えにくい硬直も潜んでいた。光と影の両面を中立にたどる。
- 07 金の囚人 — 大恐慌と黄金没収 1929年に始まった大恐慌のなか、世界を支えてきた金本位制は人々を縛る鎖へと姿を変える。デフレの底で、アメリカは1933年の大統領令6102号で国民の金を取り上げ、翌年その価格を引き上げた。黄金と国家の力をめぐる、苦い物語をたどる。
- 08 金の鎖が切れた日 — ブレトンウッズの終わり 第二次大戦の後、世界は金1オンス35ドルと結ばれたドルを軸に通貨をつなぎ直した。だがアメリカからの金流出が止まらず、1971年、ニクソン大統領は金とドルの交換を停止する。金の鎖が切れた日、黄金は固定された値段から解き放たれ、市場のなかへと歩み出していった。
- 09 安全資産という王座 — 現代の金 金兌換が止まり、価格が自由に動きはじめた金は、危機のたびに買われる安全資産としての地位を固めていく。中央銀行の金準備、金ETFという新しい投資、そして南アフリカに象徴される採掘の影。現代における金の役割を、冷静にたどる。
- 10 不変の輝き — 金の未来 スマートフォンの基板に眠る金、捨てられた電子機器という都市鉱山、採掘がもたらす環境負荷。そしてなぜ人類は5000年ものあいだ金に魅了されつづけてきたのか。連載の最終話として、装飾でも投資でもない金のもう一つの顔と、その問いを静かにたどる。