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連載 ・ 全10話

詐欺の世界史 ― だます者とだまされる者

だましは、文字が生まれる前から人類とともにあった。古代ギリシャの聖地デルポイの神託、そしてローマ時代の蛇神グリュコンをめぐる偽預言者の物語から、なぜ人は信じてしまうのかという、詐欺の根っこにある心の仕組みをたどる第1話。

  1. 01 最古のペテン ― 人類はいつからだましたのか だましは、文字が生まれる前から人類とともにあった。古代ギリシャの聖地デルポイの神託、そしてローマ時代の蛇神グリュコンをめぐる偽預言者の物語から、なぜ人は信じてしまうのかという、詐欺の根っこにある心の仕組みをたどる第1話。
  2. 02 黄金をつくる嘘 ― 錬金術と万能薬 卑しい金属を黄金に変えると約束した錬金術、あらゆる病を癒すと触れ込んだ万能薬。科学が生まれゆく時代に、その装いを借りて人々を惑わせた者たちがいた。学問と詐術が分かちがたく交じり合った、近世のだましの物語をたどる第2話。
  3. 03 群衆の熱狂 ― バブルという名の罠 17世紀オランダの「チューリップ狂」、18世紀イギリスの「南海泡沫事件」。根拠なき高騰と崩壊は、たった一人のペテン師ではなく、群衆そのものが生む熱狂だった。なぜ人は皆が買うものを買ってしまうのか。バブルという罠の構造を、史実から静かにたどる。
  4. 04 自転車操業の発明 ― ポンジという名の罠 1920年のボストン。チャールズ・ポンジは「90日で2倍」を約束し、わずか数か月で巨額の資金を集めた。後から来た出資者の金で、先の出資者に配当を払う——その仕組みは、なぜ最初から破綻が約束されているのか。一人の男が自らの名を残した詐欺の構造を読み解く。
  5. 05 心を盗む技術 ― 信用詐欺師たちの系譜 鍵をこじ開けるのではなく、扉を自ら開けさせる。信用を勝ち取ってからだます「コンフィデンス・トリック」の系譜を、19世紀ニューヨークの語源から結婚詐欺や成りすましまでたどり、なぜ人は信じてしまうのかという心理の構造を中立に読み解く。
  6. 06 本物そっくりの罪 ― 偽札と模倣品 貨幣が生まれた瞬間から、その偽物も生まれた。古代ローマの偽造防止策から、ナチス・ドイツが国家ぐるみで行ったポンド偽造、そして現代の偽ブランドや海賊版まで。本物と偽物をめぐる終わりなき攻防の歴史を、心理と構造の側面から中立にたどる。
  7. 07 史上最大の嘘 ― 元ナスダック会長が築いた幻 ナスダックの会長まで務めた男が、数十年にわたり巨額のポンジ・スキームを回し続けた。捏造された利益を含む被害は650億ドル規模とされ、2008年に発覚する。なぜ誰も見抜けなかったのか。確定した事実の範囲で、史上最大級の投資詐欺と監督の盲点をたどる。
  8. 08 オレオレ詐欺の時代 ― 受話器の向こうの組織犯罪 「オレだよ、オレ」――2000年代の日本で、電話一本が家族を装う詐欺が社会問題となった。やがて手口は還付金や架空請求へと枝分かれし、受け子や出し子を使い捨てる組織犯罪へ。年間被害額は数百億円規模で推移する。手口の指南ではなく、その構造と注意喚起としてたどる。
  9. 09 画面の向こうの罠 ― 国境を越える、愛と投資の詐欺 フィッシング、ロマンス詐欺、暗号資産をめぐる詐欺。SNSとマッチングアプリを舞台に、だましは国境を越えて広がった。手口を教えるのではなく、なぜ人が信じてしまうのか、その心理と構造を見つめ、注意喚起として描く第9話。
  10. 10 AIは嘘がうまい ― 偽物の声と顔が、真実を揺らす日 AIによる音声・画像のなりすまし、ディープフェイク詐欺。本物そっくりの声と顔が、嘘と真実の境界を揺らしはじめた。巧妙化する手口とこれからの防御を見つめ、見破る目を持つことの大切さで静かに締める最終話。