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連載 ・ 全10話

広告の世紀 ― 広告代理店と欲望の歴史

19世紀、新聞という新しいメディアが広がるとともに、店と新聞のあいだに立つ「代理人」という不思議な職業が生まれた。米国のヴォルニー・パーマー、開放契約を編み出したエイヤー、そして江戸の引札から始まる日本の道のり。広告と広告代理店の起源をたどる第1話。

  1. 01 広告の誕生 — 新聞と最初の代理人 19世紀、新聞という新しいメディアが広がるとともに、店と新聞のあいだに立つ「代理人」という不思議な職業が生まれた。米国のヴォルニー・パーマー、開放契約を編み出したエイヤー、そして江戸の引札から始まる日本の道のり。広告と広告代理店の起源をたどる第1話。
  2. 02 ブランドという発明 — 大量生産と消費社会 工場が同じ品を大量に生み出す時代、商人たちは「名前」と「印」で自分の品を見分けさせようとした。クエーカー・オーツやアイボリー石鹸の商標、JWTなど米代理店の台頭、そして広告が需要そのものを作り始めた20世紀初頭。ブランドという発明の物語をたどる第2話。
  3. 03 説得の科学 — 心理学とプロパガンダ 20世紀初頭、広告は「告げる」ことから「動かす」ことへ踏み込んだ。テストで売り文句を磨いたクロード・ホプキンスと、心の奥に働きかけたエドワード・バーネイズ。説得を科学にしようとした二人の歩みから、広告と宣伝の境界、その光と影を中立にたどる。
  4. 04 電波の王国 — ラジオとテレビCM 20世紀半ば、広告は紙から電波へ移った。ラジオのスポンサー番組、石鹸会社が育てた連続ドラマ、9秒のテレビCM、そして「視聴率」という新しい通貨。マスメディアと大量消費が手を結んだ黄金時代を、その繁栄と影の両面から中立にたどる。
  5. 05 クリエイティブ革命 ― マディソン街の60年代 1959年、ニューヨークの小さな代理店が白い紙の隅に小さな車を置き、たった二語を添えた。フォルクスワーゲン「Think Small」とビル・バーンバック。広告が説得の技術からアートとカルチャーへと変貌した、マディソン街の革命を史実ベースで描く。
  6. 06 電通という帝国 ― 日本型広告の特異性 新聞広告の取次から始まり、戦後のテレビ・ラジオとともに巨大化した電通。欧米の代理店とは異なる原理で動く日本型広告ビジネスの構造を、一業種複数社の慣行やメディアバイイング、博報堂との関係を通じて、企業批判ではなくモデルの特異性として中立に描く。
  7. 07 持株会社の時代 — 買収とグローバル化 1980年代、広告業界は地殻変動を迎える。買い物かごの町工場から世界一へ駆け上がったWPP、三社合併で生まれたオムニコム、パリ発のピュブリシス――。創業者の名を冠した名門は、いつしか巨大持株会社の傘下へと束ねられていった。
  8. 08 デジタルの衝撃 — 検索・運用型・プラットフォーム インターネットが広告の常識を覆した。検索した言葉に反応する広告、機械が一瞬で枠を競り落とす運用型、そしてGoogleとMetaという二つの巨人。誰に届いたかを測れる時代が来たとき、巨大持株会社の足元は静かに揺らぎ始めた。
  9. 09 監視と不信 — データ・プライバシー・ステマ 広告は精密になるほど、人を見つめる視線へと姿を変えた。ケンブリッジ・アナリティカ問題、アドフラウド、ステマ批判、そしてGDPRやステマ規制という反作用。便利さと監視のあいだで揺れる広告の現在地を、報じられた範囲で中立にたどる。
  10. 10 アテンションの未来 — これからの広告 クッキーレス、インフルエンサー、リテールメディア、そしてAIが生み出す広告。希少になった人の注意をめぐって、広告は次の形を探している。百年の物語の終わりに、広告と信頼の関係がこれからどこへ向かうのかを、答えを急がずに見渡す最終章。