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連載 ・ 全6話
世界を繋いだ線 ― インターネット誕生の物語
インターネットは核戦争のために作られた——広く信じられてきたこの物語は、半分だけ正しい。核攻撃を生き延びる分散網という発想と、離れた研究者が高価な計算機を分け合いたいという願い。二つの動機が交わった1969年、UCLAからスタンフォードへ送られた最初のメッセージは、たった二文字で途切れた。すべての起源をたどる。
- 01 核を生き延びる網 — ARPANET、1969年の産声 — 誕生① インターネットは核戦争のために作られた——広く信じられてきたこの物語は、半分だけ正しい。核攻撃を生き延びる分散網という発想と、離れた研究者が高価な計算機を分け合いたいという願い。二つの動機が交わった1969年、UCLAからスタンフォードへ送られた最初のメッセージは、たった二文字で途切れた。すべての起源をたどる。
- 02 誰のものでもない言語 — インターネットを創った思想 — 誕生② ARPANETは一つの網にすぎなかった。無線の網、衛星の網——仕様の異なるネットワークを、どうすれば一つに結べるのか。ヴィント・サーフとボブ・カーンが1974年に示した答えが、TCP/IPだった。網は運ぶだけ、賢さは端末に。誰の所有物でもないオープンな設計思想が、なぜインターネットを地球規模に育てたのかを読み解く。
- 03 無料で手放された発明 — ウェブが世界を開いた日 — 誕生③ 1989年、CERNの一人の科学者が、散らばった情報を結ぶ仕組みを提案した。ティム・バーナーズ=リーが生んだWorld Wide Web——URL、HTML、HTTP。そして1993年、CERNはこの発明を特許もライセンス料もなしに世界へ手放す。もし彼らが独占していたら、いまのウェブは存在しなかった。「無料」という選択が世界を変えた物語。
- 04 ドットコムの熱狂 — ブラウザ戦争とバブル — 誕生④ 無料で開かれたウェブに、資本が殺到した。ネットスケープとマイクロソフトのブラウザ戦争、そして「.com」とつくだけで株価が跳ねた狂乱の投機——ドットコムバブル。1995年から2000年でナスダックは6倍に膨らみ、そして78%が消えた。だが焼け跡から、アマゾンやグーグルが立ち上がる。理想の空間が、巨大ビジネスへと姿を変える転換点。
- 05 沈黙のインフラ — ビッグテックと監視資本主義 — 誕生⑤ 誰の所有物でもないはずだった網は、いつのまにか少数の帝国に囲い込まれた。グーグル、アマゾン、フェイスブック——ネットワーク効果を武器にした勝者総取り。そしてハーバードのショシャナ・ズボフが名づけた「監視資本主義」。私たちの行動そのものが「予測商品」として売られる。無料の便利さの、本当の代償を問う。
- 06 割れていく世界 — 分断される網の未来 — 誕生⑥ 国境のなかった網が、いま国ごとに割れ始めている。中国のグレートファイアウォール、ロシアの主権インターネット法、そして2013年スノーデンが暴いた米国の地球規模監視。自由を運ぶ線は、そのまま監視を運ぶ線でもあった。連載の最終話は、「誰も所有しない」理想と「すべてを支配する」力が同居する、インターネットの正体を見つめる。