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凋落と再生、そして2026へ — 無敵艦隊の現在 — スペイン⑥

頂点を極めた無敵艦隊は、2014年に地に落ちた。バルサは巨額の負債を抱え、2021年にはメッシまで手放す。だが、スペインサッカーは再び甦る。EURO2024を制した新世代、17歳の天才ラミネ・ヤマル。そして2026年W杯、7試合1失点で決勝へ——。栄光の記憶を胸に、無敵艦隊は再び頂点の淵に立っている。

2026年7月15日

栄光の絶頂は、長くは続かなかった。2010年に世界を制した無敵艦隊は、わずか4年で崩れ落ちる。バルサは天文学的な負債を抱え、ついには象徴だったメッシまで手放した。だが、スペインサッカーはそこで終わらなかった。灰の中から、新しい世代が立ち上がる。そして2026年の夏、無敵艦隊は再び、世界一の淵に立っている。凋落から再生へ——そして、まだ結末の書かれていない現在へ。100年の物語は、いまこの瞬間に追いつく。

  1. 2014年

    W杯ブラジル大会でスペイン代表がグループステージ敗退。黄金期の終焉を告げた。

  2. 2021年

    財政難のバルサが、21年在籍したメッシを手放す。一つの時代が終わった。

  3. 2024年

    スペイン代表がEURO2024を7戦全勝で制覇。新世代が無敵艦隊を甦らせた。

  4. 2026年7月

    W杯で7試合1失点、決勝へ。栄光の記憶を胸に、再び世界一の淵に立つ。

王朝の崩壊

すべての頂点には、下り坂が待っている。2014年のW杯ブラジル大会、前回王者スペインはグループステージであっけなく姿を消した。黄金世代は高齢化し、あれほど無敵だったティキタカは、対策を研究され、輝きを失っていた。無敵艦隊は、そこから長い低迷の時代に入る。

クラブの側も、危機に瀕していた。栄華を誇ったバルサは、放漫な経営とコロナ禍が重なり、2021年には総額13億5000万ユーロという巨額の負債を抱え込む。人件費は総収入の103%——収入以上に給料を払う、破綻寸前の状態だった。そしてこの財政危機は、誰も想像しなかった結末を招く。2021年8月、バルサはリオネル・メッシとの契約を延長できないと発表した。契約内容ではすでに合意していたにもかかわらず、ラ・リーガの厳格な財政規定がそれを許さなかったのだ。21年間クラブに尽くし、史上最多得点を刻んだ男は、フリー移籍でパリ・サンジェルマンへと去った。一つの時代が、静かに幕を閉じた。

商業化という新たな戦場

メッシ退団の背景には、サッカーそのものの変質があった。放映権とグローバルマネーが、クラブの命運を握る時代の到来である。

かつてレアルの会長フロレンティーノ・ペレスは、ジダンやロナウド、ベッカムら世界的スターを集める「ガラクティコス」政策で、クラブを巨大なグローバルブランドへと育てた。練習場を売却して負債を清算し、そのブランド力で世界、とりわけアジア市場を開拓する。サッカーは、ピッチ上の競技であると同時に、莫大な金が動くビジネスになっていた。2021年には、レアルやバルサが主導して、閉鎖的なエリートだけの「欧州スーパーリーグ」を創設しようとする動きすら起きた(ファンやサッカー界の猛反発を受け、わずか数日で頓挫した)。ラ・リーガもまた、リーグの一部を投資ファンドに売却し、2023年にはブランドを刷新するなど、生き残りをかけたグローバル戦略に舵を切っている。熱狂と、健全な経営と、巨大資本。この三つのバランスをいかに保つかが、現代スペインサッカーの最大の課題となった。

甦る無敵艦隊、そして決勝前夜

だが、スペインサッカーの底力は、育成にあった。低迷の底で、次の世代が静かに育っていたのだ。

2024年、ルイス・デ・ラ・フエンテ監督率いるスペイン代表は、EURO2024を7戦全勝という完璧な成績で制覇する。デル・ボスケ以来の主要タイトルだった。決勝はベルリンでイングランドを2対1、ニコ・ウィリアムズとオヤルサバルのゴールが世界一をもたらした。この大会で世界を驚かせたのが、17歳のラミネ・ヤマルである。彼は17歳と1日で主要大会の決勝ピッチに立ち、史上最年少の記録を打ち立てた。ペドリ、ニコ・ウィリアムズら新世代とともに、無敵艦隊は「ティキタカ2.0」とも呼ばれる新たな姿で甦った。

そして2026年、無敵艦隊はさらなる高みへ挑む。グループステージを首位で突破すると、決勝トーナメントでオーストリアを3対0、ポルトガルを1対0、ベルギーを2対1、そして準決勝ではフランスを2対0で退けた。ここまで7試合を戦い、失点はわずか1。鉄壁の守備と、育成が生んだ新世代の輝き。無敵艦隊は再び、決勝の舞台にたどり着いた。7月19日、ニューヨーク。スペインは、2010年以来16年ぶり2度目の世界一を懸けて、最後の一戦に臨む。100年の物語は、いまこの瞬間、決勝のホイッスルを待っている。

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